■『第12回「秋田酒屋唄を飲む会」ヨーイトナ上槽・しぼりたてを楽しむ会』体験記
 大吟醸「酔楽天」で有名な、秋田晴醸造元 秋田酒造(株)の『第12回「秋田酒屋唄を飲む会」ヨーイトナ・しぼりたてを楽しむ会』に参加してきた。1/16に仕込んだ醪(もろみ)が、搾りの時期を迎えた。「上槽」「瓶詰め」「ラベル貼り」の蔵人体験である。約40人が参加した。利き酒コンテストも行われ、酒屋唄も飛び出した懇親会では、全員に修了証が渡された。私の名前の入ったお酒が、いよいよ発売される。
●2005/3/6(日)
 
07:30  1/16の前回は寝坊をしてしまって、大変な思いをしてしまった。今回は早めに起床。
 
08:30  自宅から歩いて10分のところ。今日は暖気なのだが、それでも蔵の中はコートを脱いでハッピ一枚での作業なので寒いだろう。ラクダの股引ならぬ厚手の下着を重ね着して、長靴の重装備の出で立ちで向かった。
 
08:45  長靴の泥をよく落としてから受付へ。懇親会費を払って、ハッピに着替える。程なく社長の挨拶が始まったから、間に合ったようである。加藤杜氏により、今年の「ヨーイトナ」の出来映えについての説明があり、1月の末から2月の初旬に掛けて、我々が仕込んだ酒母に、蔵人によって初添え・仲添え・留添えが行われたと言う。日本酒度+3.5 アルコール度数18.5%と、辛口の味に仕上がっているとのこと。
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正面玄関/店舗「酒蔵酔楽天」
●秋田晴  秋田酒造(株)
〒010-1631
秋田市新屋元町23−28
 
09:00  まずは、洗面器で手を消毒して、一同酒蔵内の松尾神社に参拝する。そのさらに奥の蔵で、上槽の作業から始まる。醪の入ったタンクから、桶で醪をすくい、布の袋に2杯ほど入れる。これを別のタンクに用意した棒に紐で吊す。いわゆる袋吊りである。大吟醸などで用いられる搾り方である。私は、紐で吊す間押さえる作業を手伝った。
松尾神社 袋吊り作業
 
 すでに蔵人によって絞られた物があって、これを瓶詰めする作業も始まった。いわゆる「にごり酒」である。タンクは3つ分ほどあるようで、もう一つは、アコーディオンのような形をした濾過器に掛けられ、澄んだ生酒が絞られていた。これも瓶詰め作業をして、ラベルが貼られる。このような濾過器は、何度か見かけたが、間近で動いているのを見たのは初めて。蔵の片隅に別方式の上槽器「ふね」があったのだが、ここ10年は使っていないという。
瓶詰め/ラベル貼り作業
濾過器 蔵内部
 
10:00  袋吊りの作業をしている間に、振舞酒が廻ってきた。作業の合間に、濁り酒を頂く。なかなか良い味である。皆さん交代で袋吊りの作業をする。その他の人は、利き酒をしていて、殆ど宴会状態。誰も居なくなったところで、どさくさに直汲みをやってしまった。要するに、米粒の入った醪をそのまま飲んだのである。
殆ど宴会状態
 
10:40  タンク2個分、約60個くらいの袋が吊られて、約100本ぐらい瓶詰めされて作業は終わった。控え室で休憩。暖を取るが、結構酔いが廻っていて、それも必要なさそう。ジャンボタクシーのピストン輸送で、懇親会場に移動。
瓶詰め ラベル
 
 懇親会場の「日本製紙クラブ」は、歩いても30分くらいの近いところ。地元新屋に住んでいるが、久しぶりに此処にやってきた。懐かしい!! 東北パルプの時代に上級職員用の「上の社宅」の一角に造られた宴会場。廻りには、村上山と言って、スキー場があって、子供の頃から良く来たが、中に入ったのは今回が初めて。
 ▼日本製紙クラブ (秋田十條緑化株式会社)
〒010-1636
秋田市新屋比内町6−17
018−828−1781
 
11:00  控え室では、皆さんが揃うまで雪の庭を見ながら日なたぼっこ。隣の床の間のある部屋を見て吃驚。我が家の前の家とそっくりの造りなのである。さっきの控え室の廊下で、天井を見上げたら見覚えのある造りだった。多分、同じ棟梁が造ったのだろう。
控え室と雪の庭
 
 玄関の横に一枚の絵があった。佐々木宗一郎さんの「工場」と題する画である。大森山から見たのであろう、懐かしいパルプ工場が描かれていた。工場の周りには、田圃だけで何もなさそうだから、かなり前に画かれたのだろう。
佐々木宗一郎作「工場」
 
 何気なく個室のトイレに入ったら、水洗洋式便器の横に床の間が付いていた。こんな豪華なトイレは見たことがないと、ゆっくり用を足していたら、見学者がやってきて、ドアーを開けられてしまった。ロックがされていなかったのである。よく見たらスライドの横棒が2段になっていて、下の方がロックなのである。
 
 蔵内での利き酒で、殆ど出来上がってしまっていたが、利き酒コンテストが始まった。前回と同じく5種類のお酒なのだが、「ヨーイトナ」だけは、今日絞った生酒である。「これが分からなかったら、帰って貰おう」と皆さん言っていた。いきなり伏せられたお酒に行こうかと思ったが、余りにも無謀なので、ラベルの貼ってある酒から行く。香りを嗅いで、少しだけ口に含んで舐め回し、飲まずに吐いた。酔楽天とヨーイトナは直ぐ分かったが、あとの3つが分からない。もう一度戻って確かめたが、それが行けなかった。第一印象が大事である。
利き酒コンテスト
 
11:40  懇親会が大広間の座敷で始まった。8名ぐらいが一つのテーブルを囲んで、4つに分かれていた。早速、幹事の方と打ち合わせ済の「ホームページのプリントアウト」と「ホームページのアドレス」を書いた紙を各テーブルに配布。社長の挨拶で始まったら、いきなり私が紹介された。東北パルプ時代の新屋の紹介と、ホームページの説明をした。
懇親会場
 
 修了証書が渡され、利き酒コンテストの結果が発表された。私は、3点正解で「ヨーイトナ」を一本ゲット。さすが、酒のホームページを開いているだけあると言われてしまったが、殆どまぐれ...
修了証書 利き酒コンテストの結果
 
 酒宴は延々と続いたが、出されたお酒は「ヨーイトナ」の濁りと生の2種類だけ。当然と言えば当然だが、端から見ると同じ瓶がいっぱい列んでいる異様な集会? 酒屋唄も飛び出して、みんなで唄って盛り上がった。
酒屋唄の大合唱
 
15:00  座敷での宴会とあって、後半は席を離れてあちらこちらで飲んでいた。あっという間の時間だったが、仲締めとなり、限定発売「ヨーイトナ絞りたて」の注文書を出して解散となった。おみやげに今日絞った「ヨーイトーナーにごり」を貰ったので、利き酒コンテストのと、合計2本となった。私は徒歩組で、一番最後だったと思うが、3人で歩いて帰ってきた。
 
 蔵の中から宴会まで、ずーっと濁り酒ばかり飲んでいたら、かなり効いたようである。家に帰っても、夕飯まで寝ていた。さすがに晩酌はしなかったが、寝ていてもあの酒の味が忘れられない。かなり強烈だったようだ!!
 
 私の名前の入ったお酒が、3月中旬頃に限定発売される。このあと火入れ殺菌、貯蔵されて、この秋には、熟成したお酒が発売される。しばらく楽しめそうである。
ラベル 名前の入った背ラベル
 
Ksymbol
 ★アルバム風写真集(「秋田酒屋唄を飲む会」会員限定)
 ●2005/01/16 第12回「秋田酒屋唄を飲む会」体験記
 次は、●2005/02/19〜21 福島・猪苗代 中の沢温泉郷「ぼなり」紀行