|
|
■第16回「秋田酒屋唄を飲む会」体験記 |
|
大吟醸「酔楽天」で有名な秋田酒造(秋田晴)の「第16回秋田酒屋唄を飲む会」に、5年連続で参加してきた。去年と同じ「酉元(もと)仕込み」・「米とぎ」・「酉元(もと)すり」の蔵人体験である。今回は初めて、仲添え仕込の櫂入れの体験もしてきた。酒屋唄を唄いながらの、文字通りの手造りで、楽しくお酒の仕込みのお手伝いが出来たと思う。 |
|
●2009/2/1(日) |
|
8:20 |
自宅から歩いて10分くらいの処だが、近いとつい遅くなってしまう。それでも例年よりは早く出発して、國萬歳酒造に向かった。 |
|
|
8:35 |
ラクダの股引ならぬ厚手の下着を重ね着して、長靴の重装備の出で立ちで向かった。我々の業界で言う、屋外中継のスタイルである。途中、同級生が若社長の「英雄」・「新政」瓶詰め工場・「黄金井」と酒屋が続く。どこも良くない噂が聞こえてくる。 |
|
|
|
|
|
森川酒造店 |
|
|
|
|
|
近いところなので、やっぱりギリギリの時間になってしまう。今回は、横の工場口ではなくて、正面の玄関から入る。参加の手続きをしたら、まもなく社長の挨拶が始まった。 |
|
|
|
|
|
|
今年の蔵は、このところの寒波で、 本来の寒い蔵だった。タンクには、保温のため断熱材を巻いていた。 |
|
|
|
|
|
●秋田晴 秋田酒造(株) |
|
|
|
〒010-1631 |
|
秋田市新屋元町23-28 |
|
9:00 |
一同酒蔵内の松尾神社に参拝する。酒屋の神様である。まずは、洗面器で手を消毒して、酉元(もと)仕込みから始まる。釜場では、すでに仕込米が蒸されていて、湯煙を上げていた。 |
|
|
|
|
松尾神社 |
手消毒 |
|
|
|
|
釜場 |
ぶち桶 |
|
|
|
|
蒸し米を運ぶ桶を「ぶち桶」と言う。肩に担いで一気に走り、麹箱の上にぶちまけたことから、「ぶち桶」と名前が付いたらしい。これの担ぎ方をベテラン会員が実演。本番では、蒸し米の量を少なめにして貰って、約10m先の麹箱にぶちまけた。4〜5人で蒸し米をかき混ぜて冷やす。適当に冷えたところで、仕込み水と麹が入れてあるタンクに入れる。75Kgの蒸し米を、6回ぐらいに分けて行った。 |
|
|
|
|
|
|
50名ほどが参加したが、殆どが秋田市で、それ以外は5名程度である。札幌から参加した人もいた。 |
|
10:00 |
今回は特別に、3段仕込の仲添え仕込も体験させて貰った。その前に、蔵人達が蒸し米を機械で冷やし、麹菌を蒔いてから麹室に運んでいた。その後我々が、蒸し米約390Kgを蒸し米放冷機で冷やして、それを蔵のタンクに運んだ。7度くらいに冷えた蒸し米をほぐすのが大変な作業だった。さっき手作業で行ったのとは5倍も違う量なのである。私は、初めて櫂入れをさせて貰った。大きなタンクに1/3くらいの量なのだが、だんだん重くなってくる。 |
|
|
|
|
|
|
10:40 |
場所を、直ぐ隣の西部公民館に移った。野本社長による酒造りの説明から始まった。今回は社長からの提案で、仕込み水の説明があった。去年まで使っていた井戸が使えなくなり、新たに2本の井戸を掘ったという。そのうちの一本は、浄化装置を付けて使っているという。 |
|
|
|
|
|
11:30 |
休憩のあと、利き酒を始めた。まずは名前の入ったお酒を5種類飲む。大吟醸「酔楽天」・純米酒「古式純造り」・超辛口「どっ辛」(白)・春雪生・・純米酒「ヨーイトナ」である。このあと、無記名のお酒を飲んで、さっきのどれかを当てるのである。今回は、飲み込まないで利き酒をしたのだが、やっぱり分からなくなる。当てたのは一つだけだった。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
プレ利き酒 |
|
12:00 |
午後からの仕込みで唄う酒屋唄の練習を始める。指導役は4年前まで蔵の工場長だった人で、今は定年となった。民謡教室に入っていたのか、発声が本格的で上手な人である。 |
|
|
|
|
|
酒屋唄の練習 |
|
12:30 |
新屋の某食堂の弁当で昼食。 |
|
13:00 |
西部公民館から蔵に戻る。手消毒を行ってから、「米とぎ」の作業に入る。精米された米20Kgを、半切りの桶に入れ、冷たい仕込み水を入れて、二人一組で2組が「秋田米とぎ唄」に合わせて手で磨ぎ出す。私もやってみたが、冷たくて三番の歌詞まで長かった。明日使用分の米440Kgを参加者みんなで磨いだ。 |
|
|
|
|
|
|
▼秋田米とぎ唄 |
|
|
∧米とぎの ヤーヨエ 始まるときは |
|
鶴と亀 鶴亀がヤーヨエ |
|
流しに降りて舞い遊ぶ |
|
(ヨエトコーリャ 舞い遊ぶ) |
|
(囃子以下同じ) |
|
|
∧米とぎは ヤーヨエ 楽だとみせて |
|
楽じゃない 寒中にも ヤーヨエ |
|
はだしに裸 楽じゃない |
|
|
∧十七八 ヤーヨエ 柳の下で |
|
せりをつむ せりつめば ヤーヨエ |
|
柳がよれて からまるよ |
|
|
∧つばくろが ヤーヨエ 酒屋の破風に |
|
巣をかけて 夜明ければ ヤーヨエ |
|
酒こせ売れと さえずるよ |
|
14:30 |
休憩しながら、少し暖を取った。今度は、「酉元(もと)すり」の作業に入る。午前中に蒸し米を入れたタンクは、水を含んでおかゆ状態になっていた。これをさっきと同じ「半切りの桶」に入れ、二人一組で2組が酒屋「櫂入れ唄」に合わせて、棒で擦り出す。これを「試桶」に入れて、蔵のタンクまで担ぎ出す。 |
|
|
|
|
|
|
私もやってみたが、5度目の体験だったので、力を抜いて作業が出来た。初めの年は力が入りすぎて、終わったら固まっていた。 |
|
|
▼酒屋「櫂入れ唄」 |
|
|
∧揃た揃たヨー 若い衆が揃た ハイハイ |
|
秋の出穂よりヨー まだ揃た |
|
(ヨーイヨーイ ヨイヨイヨイ |
|
アリャリャン コリャリャンデ |
|
ヨーイトーナー) |
|
(囃子以下同じ) |
|
|
∧よいにもとする 夜中にふかし |
|
朝の夜明けに 酒つくる |
|
|
∧これは大切 改良の仕込み |
|
頼みあげます 松尾様 |
|
|
∧千秋楽とは まだまだ早い |
|
まずは ここらで 納めおぐ |
|
15:30 |
今日の作業は、これですべて終わった。このあとも蔵人によって、初添え・仲添え・留添えのいわゆる三段仕込みが行われる。酒屋のハッピとタオルを返して、おみやげに去年仕込んだ「ヨーイトーナ」(私の名前が入っている)を貰って帰った。これの搾りは、3/29(日)に行われる。 |
|
Ksymbol |
|
次は、●2009/01/10〜11 一月には珍しい東京・蒲田紀行2009 |
|
|
|