■第23回「秋田酒屋唄を飲む会」体験記
 
 大吟醸「酔楽天」で有名な秋田酒造(秋田晴)の「第23回秋田酒屋唄を飲む会」に、12年連続で参加してきた。去年と同じ「酉元(もと)仕込み」・「米とぎ」・「酉元(もと)すり」の蔵人体験である。酒屋唄を唄いながらの、文字通りの手造りで、楽しくお酒の仕込みのお手伝いが出来たと思う。
 
●2016/1/24(日)
 
 8:10  自宅から歩いて10分くらいの処だが、近いとつい遅くなってしまう。雪の無い朝だが、天気が良すぎて水たまりが凍っていた。雪寄せもなく、秋田酒造に向かった。
・アラヤイチノ
 
 8:20  ユニクロのヒートテックという下着を着て、長靴の軽装備の出で立ちで向かった。今日は厳し行く寒い日である。途中、同級生が社長の「英雄」・「新政」瓶詰め工場・「黄金井」と酒屋が続くはずが、「新政」は更地に。『英雄』は、アパート群に変わった。『黄金井』も休業状態。残念な事に、古い町並みが、また消えてしまった。これを何とかしようと、新政跡地で再開発が進んでいる。
 
天竜寺 旧「新政」瓶詰め工場 森川酒造店跡
 
大彦商店 旧黄金井酒造
 
8:45  正面の玄関から入ると、今年も古くから伝わるおひな様が飾られていた。前社長の思い出の品であろう? あれからもう二年が経とうとしているのだ。身支度をしているうちに、若社長の挨拶が始まった。今日は近来になく多く、60数名ほどが参加した。その中に、私の三名の紹介者も含まれている。12年目で初めてのことである。
 
 
正面玄関/店舗
●秋田晴  秋田酒造(株)
〒010-1631
秋田市新屋元町23-28
 
 8:50  まずはスプレーで手を消毒。一同酒蔵内の松尾神社に参拝する。酒屋の神様である。酉元(もと)仕込みから始まる。釜場では、すでに仕込米が蒸されていて、湯煙を上げていた。
 
松尾神社 釜場  ぶち桶
 
 蒸し米を運ぶ桶を「ぶち桶」と言う。肩に担いで一気に走り、麹箱の上にぶちまけたことから、「ぶち桶」と名前が付いたらしい。これの担ぎ方を、私が指名されて実演。本番では、蒸し米の量を少なめにして貰って、約10m先の麹箱にぶちまけた。5〜6人で蒸し米をかき混ぜて冷やす。60℃に冷やしたいが、今日は暖気でなかなか冷えない。冷えたところで、仕込み水と麹が入れてあるタンクに入れる。75Kgの蒸し米を、12回ぐらいに分けて行った。終わって温度を測ったら、希望の20度丁度であった。
 
蒸し米を冷やす
 
9:20  3段仕込の仲添え仕込も体験させて貰った。その前に、蒸し米を機械で冷やし、麹菌を蒔いてから麹室に運んだ。さらに蔵のタンクに運んだ。冷えた蒸し米をほぐすのが大変な作業だった。さっき手作業で行ったのとは何倍も違う量なのである。
なにやら天井の梁が改修されていた。
蒸し米放冷機
蒸し米投入
麹室
初添え仕込(酒母室)
   
仲添え仕込(仕込み蔵) 櫂入れ 
 
10:20  新屋商店会を通り、南に15分程歩いた西部市民サービスセンター「ウェスター」に移った。
 
10:45  蔵人による酒造りの説明から始まった。
 
西部市民サービスセンター「ウェスター」 酒造りの説明
 
11:00  午後からの仕込みで唄う酒屋唄の練習を始める。指導役は10年前まで蔵の工場長だった人で、今は定年となった。民謡同好会に入っていて、発声が本格的で上手な人である。
 
 
酒屋唄の練習
 
11:00  利き酒を始めた。まずは名前の入ったお酒を5種類飲む。純米酒「古式純造り」・生貯蔵酒「春雪」・純米酒「よーいとナ」・超辛口「どっ辛」(白)・純米吟醸「千壺天」である。このあと、無記名のお酒を飲んで、さっきのどれかを当てるのである。今回は、全て飲み込んで利き酒をしたのだが、やっぱり分からなくなる。只の呑んべーか?
 
 
プレ利き酒
    
12:00  仕出し弁当で昼食。
 
13:20  西部市民サービスセンター「ウェスター」から蔵に戻る。手消毒を行ってから、「米とぎ」の作業に入る。精米された米20Kgを、半切りの桶に入れ、冷たい仕込み水を入れて、二人一組で2組が「秋田米とぎ唄」に合わせて手で磨ぎ出す。桶が台の上に乗っていて、作業がしやすくなった。例年になく水が冷たくて、終わって手を出したら暖かくらいだった。明日使用分の米約500Kgを参加者みんなで磨いだ。参加人数が多いからか、例年より多い。
 
米とぎ
 
▼秋田米とぎ唄
 
∧米とぎの ヤーヨエ 始まるときは
 鶴と亀 鶴亀がヤーヨエ
 流しに降りて舞い遊ぶ
 (ヨエトコーリャ 舞い遊ぶ)
          (囃子以下同じ)
 
∧米とぎは ヤーヨエ 楽だとみせて
 楽じゃない 寒中にも ヤーヨエ
 はだしに裸 楽じゃない
 
∧十七八 ヤーヨエ 柳の下で
 せりをつむ せりつめば ヤーヨエ
 柳がよれて からまるよ
 
∧つばくろが ヤーヨエ 酒屋の破風に
 巣をかけて 夜明ければ ヤーヨエ
 酒こせ売れと さえずるよ
 
14:30  休憩しながら、少し暖を取った。今度は、「酉元(もと)すり」の作業に入る。午前中に蒸し米を入れたタンクは、水を含んでお粥状態になっていた。これをさっきと同じ「半切りの桶」に入れ、二人一組で2組が酒屋「櫂入れ唄」に合わせて、棒で擦り出す。これを「試桶」に入れて、蔵のタンクまで担ぎ出す。
 
酉元(もと)すり
 
▼酒屋「櫂入れ唄」
 
∧揃た揃たヨー 若い衆が揃た ハイハイ
 秋の出穂よりヨー まだ揃た
 (ヨーイヨーイ ヨイヨイヨイ
  アリャリャン コリャリャンデ
  ヨーイトーナー)
          (囃子以下同じ)
 
∧よいにもとする 夜中にふかし
 朝の夜明けに 酒つくる
 
∧これは大切 改良の仕込み
 頼みあげます 松尾様
 
∧千秋楽とは まだまだ早い
 まずは ここらで 納めおぐ
 
15:10  今日の作業は、これですべて終わった。このあとも蔵人によって、初添え・仲添え・留添えのいわゆる三段仕込みが行われる。酒屋のハッピとタオルを返して、おみやげに酒かす二袋を貰って帰った。これの搾りは、3/20(日)に行われる。
 
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 *去年と殆ど同じ様な体験なので、同じ文章になって済みません。
 
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 ◆2014年の第21回「秋田酒屋唄を飲む会」ヨーイトナ上槽 
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 ◆2013年の第20回「秋田酒屋唄を飲む会」ヨーイトナ上槽 
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 ◆2012年の第19回「秋田酒屋唄を飲む会」ヨーイトナ上槽 
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  *第18回「秋田酒屋唄を飲む会」上槽の会は、東日本大震災のため中止となりました。
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 次は、●2015/10/05〜06 日吉敬神旅行会 彌彦神社参拝紀行