*この紀行文は、BBSのCIAに掲載された物です。
**********************************
酒蔵巡りで、酩酊?!(超長文注意!!)
天の戸/かまくら/鶴ヶ池荘紀行
**********************************
*このツアーは、秋田市大町の「まるひこ酒店」と、秋田市山王の酒坊「酒
盃」の共催で企画された。能代の「喜久水」以来2度目だが、私の本家の本家
は酒屋で、雰囲気は良く知っている。しかし、行程を知らないことが、能代で
よく分かった。
●2001/2/25(日)
6:00 起床、日曜日で誰も起きてくれなくて、一人で御飯を食べる。
7:15 雪上がりの道路を、自家用車で八橋方面へ。
7:35 荷物を降ろすため、駐車する前に「酒盃」に寄る。店の中には
何人か待っていた。会社に駐車したが、まだ早いと、缶コーヒー
を買って暖をとる。
7:45 そろそろ時間と、さっきの「酒盃」に戻る。バスがやってきて
いて、早速乗車する。老若男女33人の一行である。
8:00 予定の時間通り出発する。さっき暖をとった缶コーヒーを飲ん
で、喉を潤す。雪上がり野山を眺めながら、秋田自動車道を走る
。早速、富山の麹入り濁り酒がやってきた。一杯を飲んだところで、久しぶ
りの早起きで眠くなってきた。
9:00 秋田自動車道の横手ICで降りて、107号線を西に向かい、
平鹿町に向かう。
9:30 浅舞の町の中を進み、浅舞酒造の前でバスは止まった。GUN
の最初の年に来て以来、懐かしい町並みである。正面玄関で社員
が出迎えてくれた。土間を進むと釜場現れ、釜の中で酒米が蒸し上がってい
た。森谷康市杜氏の酒造りショーが始まった。
天ノ戸正面玄関 森谷康市杜氏の酒造りショー
------------------------------------------------------------
●天の戸 浅舞酒造(株)
▼秋田心・美稲
〒013-0105 平鹿郡平鹿町浅舞字浅舞388
TEL:0182−24−1030
FAX:0182−24−0708
----------------------------------------------------------
40%/60% 上は720ml用キャップ
まずは、聞き酒のポリカップと、40%精米の米が渡された。蒸し上がっ
た酒米はシートで区切られていて、1.5Kg毎に何層にもなっている。そ
れをクレーンで吊り上げて、網状の大型ベルトコンベアーに移される。そこ
で、冷たい風で冷やすため梁の上は風通しが良くなっていた。そのあと篭に
移して、麹室に運ばれる。一番重労働の場所である。
私は、杜氏の話よりも、梁の上の方が気になっていた。今は休業した親戚
の蔵を思い出していたのである。いきなり、蒸し米から始まったが、ここは
確か精米をしていないと聞いていた。あまりの負担で外注をしているという。
今度は、酒を絞り出す槽(ふね)に向かった。10リットルほど入った小
袋が詰まれたままで出てきた「荒ばしり」(1)を飲ませてもらった。すご
く角のある酒である。一回りしてから、またここで飲んで、味を比べてくれ
とのことだった。
次は、白衣を着て消毒され、暖かい麹室に入った。先ほどの行程で冷やさ
れた蒸し米が横たわっていた。ここで麹菌が蒔かれる。ここに見学者を入れ
る蔵は珍しいらしい。ここでのカビの生え方で、味が決まってくると説明さ
れた。部屋は40度近くで、部屋を一歩出ると氷点下。
今度は階段を上がって、仕込みタンクの上に、天井の梁が向き出た昔風の
蔵である。タンクも上が閉じていない開放型で、香りを自分に呼び込むのも
簡単だ。美稲(うましね)(2)と思ったが、杜氏自身がタンクの上から汲
んで、利き酒をさせてくれた。「これが本当の杜氏直汲みだ!!」と叫んだ
ら、森谷杜氏が「これは一本やられたーー」と叫んでいた。あの「北の盆」
のことである。麹/ガス入りで美味しかった。次は亀の尾(3)も利き酒し
た。米の違いはあるが、どちらも美味しい。
次は、出品酒を貯蔵してあるコーナーに向かい、吟醸酒(4)をいただく
。一斗瓶がいっぱい並んでいた。この中で良いのを品評会に出すという。今
度は貯蔵タンクに向かって、今年新発売の辛口(5)をいただく。結構な辛
口だった。+8度というから、手頃な辛さだ!!
再び、槽(ふね)に戻って中絞りのふなくち(6)をいただく。初めの「
荒ばしり」とは大分違って、角の取れた落ち着いた味になっていた。今度は
、蔵人の休憩所に上げてもらって、蔵で冷えた体をストーブで暖をとる。つ
いでに中からも暖めた。今度は大きなコップがやってきた。吟醸酒(7)と
辛口(8)をいただく。奥の部屋は、蔵人の食堂のようで、まかないのお姉
さんが居て、ボタの入った粕汁を振る舞ってくれた。
森谷康市杜氏著「夏田冬蔵」
ここで、見学の時から懐に隠し持っていた「夏田冬蔵」と言う本を、森田
杜氏に差し出した。著者本人からサインをいただくためである。奥の方に行
って「おおらかに酒造り」と書いてきてくれた。社長と杜氏にホームページ
の名刺を渡したので、十分に私の個性は伝わったようだ。何しろ、美稲のラ
ベルに、私と同姓同名(高橋伸)の名前があるのだ。農協の農業改良普及員
らしい。
JA平鹿町酒米研究会の皆さん
11:00 もう一つ杜氏にお願いをした。それは、昔能代のBBSで「蔵
日記」を書き込んでいた鈴木さんに会わせてもらいたいと、蔵に
向かったら仕込みタンクで仕事をしていた。帰りの時間が迫っていて、あま
り話すことが出来なかったが、「大変でしょうが、がんばってほしい」とだ
け言い残して、バスに乗った。
(1)から(6)までは、小さなカップで飲んだので合計2合ぐらいでし
ょうが、(7)と(8)は、結構飲んだので、バスに乗ったらかなりの酩酊
状態だった。
11:30 今度は、107号線を東に向かい、横手を抜けて大沢地区の「
かまくら」に着いた。
-----------------------------------------------------
●かまくら 阿桜酒造(株)
▼雪の音・秋田ばやし
金賞受賞酒 純米吟醸
〒013-0041 横手市大沢字西野67−2
TEL:0182−32−0126
FAX:0182−32−3448
URL http://www.azakura.co.jp/
----------------------------------------------------------
会議室みたいなところで、石川社長が案内してくれた。業界では屋号で「
ヒゲの孫左エ門(6代目)」と呼ばれているらしい。昭和45年に、横手市
内にあった蔵を、現在地に移転して合併した蔵で、今では横手唯一の酒蔵と
なった。照井俊男杜氏が来てからの平成2年に全国で金賞を受賞し、一躍有
名な蔵となった。
照井俊男杜氏
まずは精米所を見せてもらう。大きな機械が3台有ったけれども、24時
間付きっきりで大変らしい。糠も堆く積まれていた、精米と同量の糠が出る
からその処理も大変。物によっては買い付けに来るところもあるという。
次は洗米所にいった。ここは釜がないので、蒸気でやるのだそうだ。麹室
は窓から覗いただけだが、天井が高くて異様な部屋。もろみタンクでは、さ
らに天井が高くて、梁などはなくコンクリがむき出しである。床も鉄で出来
ていて、タンクも上が閉じていて、近代化した蔵を感じさせる。
一つのタンクから、もろみのまま飲ませてもらった。「雪の音」になるら
しく、美味しかった。ここの上層は槽(ふね)ではなくて、大型のアコーデ
ィオンのような形をした物だった。ここでも無濾過酒を飲ませてもらった。
夏の貯蔵は建物の構造上暑くなるので、温度管理が大変だと言っていた。
最初の会議室に戻って、利き酒をさせてもらった。13度くらいの低アル
コールが出てきたが、私には美味しかった。60%精米の純米酒も出てきた
。これが酒か? と言うような米の味がして、気の抜けたシャンペンを思わ
せる。
12:30 帰り際に、外から建物の写真を撮ろうと、慌てて靴を履いたら
、似た靴と間違えたようで、バスに戻ったら大騒ぎになっていた
。言われてみて初めて、靴が合わないのに気が付いた。なんと、バスで隣に
座っている人だった。
13:00 さっきの「かまくら」から山内村はすぐ近くで、あっという間
に「鶴が池荘」に着いた。30人の団体と有って、天井が高くシ
ャンデリアの付いた、披露宴の宴会場みたいな部屋に畳が敷かれていた。場
違いな雰囲気である。
コンベンションホール「鶴」
---------------------------------------------------------
■山内村 土淵字鶴ヶ池24-2 「あいのの温泉・鶴ヶ池荘」
TEL 0182-53-2131
FAX 0182-53-2132
フリーダイヤル 0120-53-2131
*宿泊棟は全面改築して、1997年9月4日オープン。
●営業時間 午前8時〜午後9時まで
●休業 年中無休
●入湯料 大人 400円、小人 200円
●休憩料 大広間 4時間 200円(小人無料)
*利用時間 9時〜17時
客室利用 10:30〜14:30 4,000円〜 要予約
カラオケルーム 1時間 2,000円 要予約
●日帰りパックプラン
・ぬくもりコース 4,000円
・ほのぼのコース 5,000円
・やすらぎコース 6,000円
●宿泊設備 1泊2食付き 税サ込み
4名 3名 2名 1名
・和室バス付き 11,000円 12,000円 13,000円 14,000円
・和室アウトバス 10,000円 11,000円 12,000円 13,000円
・洋室バス付き 10,000円 11,000円
*チェックイン 午後3時、チェックアウト 午前10時
*金・土・休前日は、プラス1,000円
*浴室は、1998年11月1日開業。
★浴室の種類 全身浴、露天風呂、サウナ、打たせ湯
★泉質 カルシウム・ナトリウム−硫酸塩・塩化物泉
★効能 動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病、慢性婦人病
▼ホームページ
http://www.ideha.yokote.akita.jp/sannai/turu.html
----------------------------------------------------------
腹も減っているし、温泉には入らず、まずは宴会から始まった。ほとんどが
ビールから始まったが、私はいきなり日本酒から始まった。ほとんど知らない
人同士なのだが、何度か見学している内に、顔を覚えてきていた。隣同士、注
ぎあって、お酒はほとんど2軒の酒蔵からいただいてきた物。
14:30 お酒を飲んで、おかずを摘んだところで、お風呂に向かった。和
風と洋風の2つが、日替わりらしいが、今日の男湯は和風だったよ
うな気がする。露天には浴槽が2つ有って、一つは熱め、もう一つは温めで、
2度入ったが外は雪でちょっと寒かった。氷の張った鶴ヶ池の向こうにコンク
リの中学校が見えたが、GUNで来た小学校はこの裏手のようだ。
露天風呂 清流の湯 杜氏の湯
ここの風呂の構造で気になったのが、更衣室と露天の入り口に前室がないの
で、浴室に外気がいきなり入ってくる。新しい建物にしては、珍しい構造だ。
風呂から上がってきたら、ここの温泉のサービスで写真を撮ってくれると言
う。寝ている人も起こして、風呂から上がったばかりの人も招集して、出来る
限り集めて写真を撮ってもらった。私が持っているのと同じデジカメを持って
きて、帰る頃には出来上がっていた。
16:00 正面玄関前でバスに乗って、前の席の人がパンフレットを持って
いるのを見て、忘れたのを思い出し、バスの窓から送りに来た従業
員にお願いしてしまった。それが、先の温泉案内の重要な資料になっている。
バスは横手に戻り、横手ICから秋田自動車道で秋田に向かった。
17:30 和田を過ぎて仁井田あたりから、濡れ雪の吹雪となり、なかなか
進まなくなった。いつもの秋田市渋滞のようである。ようやくの思
いで、出発点の秋田市山王に着いた。私は、さすがに素面でなくて、駐車して
ある会社に戻って、代行で自宅に帰った。
*今回の「天の戸」行きを、元番組プロデュサーに伝えたら、社長や
杜氏に宜しく言ってきてくれと言われていた。確かに入り浸りだったらしくて
、酒の好みまで知っていた。帰ってきてそれを言ったら、「蔵の前の水を飲ん
だか?」であった。確かに水も大事である。
仕込み水と同じ湧き水で、トゲウオの生息地「琵琶沼」
さすがに、晩酌は一杯だけで終わった。
そして、それでも飲むと呆れられた。
Ksymbol
次は ●2001/02/17〜18 三沢「古牧温泉」紀行